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 「ナタリー・ポートマンが主演でアカデミー賞受賞のサイコスリラーだって!?」ということで、公開当時から気になってはいたのですが、結局見れず、ツタヤが半額だったので借りました。

 以下、本文の目次です。

あらすじ
見どころ
ナタリー・ポートマンの演技
現実と妄想の区別がつかない演出
子の親離れ
最後に

あらすじ
 
 本作を強引にまとめると、「良い子ちゃんが主役に抜擢されるために悪くならないといけなくて、でも急に悪くなろうとしたものだから心を病んでしまった」という話です。
 えぇ。身も蓋もなくまとめるとこうなります。

見どころ

 しかし、本作の見どころはストーリーの大筋とは関係のないところにあります。

・ナタリー・ポートマンの演技
・現実と妄想の区別がつかない演出

 以上の2点です。

ナタリー・ポートマンの演技

 本作の主人公であるニナ(ナタリー・ポートマン)は、ニューヨークのある一流バレエ団(バレエ・カンパニー)に所属し、バレリーナとして人生の全てをバレエに捧げる日々を送っています。
 一緒に住む母親のエリカ(バーバラ・ハーシー)は元ダンサーで、自分が果たせなかったバレリーナとしての夢をニナに託し、彼女に対して過剰なほどの愛情を注いでいます。

 そんな中、念願の主演を果たせることになるのですが、その題目は「白鳥の湖」。主演は白鳥と黒鳥の両方を演じなければいけません。

 ここで、軽く白鳥の湖のストーリーを説明しておきます。

 悪魔に白鳥に変えられたオデット姫が元に戻る方法はただ一つ。王子からの愛の誓いのみ。もう少しで元に戻れそうなところでオデット姫とそっくりな黒鳥が王子を誘惑して、王子は誘惑に負けてしまいます。そのせいで呪いは解くことができなくなってしまうのです。そして、絶望したオデット姫は命を絶ちます。

 この白鳥と黒鳥を同時に演じなければいけないのですが、黒鳥は悪魔の娘のため、そのキャラクターは妖艶でセクシーでなければいけません。
 対して、白鳥は清純無垢なオデット姫。
 禁欲的なニナは白鳥を演じることはできるのですが、妖艶な黒鳥を演じることができません。

 演出家によって、セックスの愉しみ・現世の愉しみを知るように言われたニナは努力します。何しろ念願の初主演です。半端なプレッシャーではありません。
 元々、内向的なこと。母親からの過度なプレッシャー。ライバルの登場。などなど。ニナは精神的にどんどん追い詰められていくのです。

 しかし、それでも最終的にニナは黒鳥になることができます。ただし、精神の安定と引き換えに。

 この清純無垢な白鳥から。親に保護された子どもから。妖艶でセクシーな黒鳥に。自立した大人に。急激に変わらざるを得ない状況に追い込まれたニナの努力・葛藤。
 そういった精神をナタリー・ポートマンが見事に演じきっているように見えるのです。

 内向的な主人公を感情の起伏をどのように表すか。黒鳥に変化するまでに演技もどうやって変化させていくか。しかも、あまりに急激な変化とプレッシャーだったために、完全に正気を失ってしまう。そこまでの過程。

 本当に最後の最後。ニナの台詞には痺れました。

 「完璧よ。」

 彼女は完璧のためにその心までをも差し出したのです。何という執念!

現実と妄想の区別がつかない演出

 そういったナタリー・ポートマンの演技が、見事な演出でさらに光ります。
 完全にニナ目線で描かれているので、本当は現実に何が起こっているのかをニナが聞いた、他の登場人物たちの台詞から読み解くしかないのです。

 作中では、何度も「起きてはいけないこと」が起きます。一晩を共にしたした人にそのことを否定されたり、病人がナイフを自分の顔に突き立てたり、絵が笑いだしたり。
 素晴らしいのが、その「起きてはいけないこと」が特に変なことのない現実と完全に地続きで描かれていること。
 それもこれも徹底したニナ目線であるからこそでしょう。

 観客もニナと一緒に(もちろん疑似的にですが)精神的に追い詰められていきます。
 そこに来て、最後の演技をやりきったあとのニナの表情とセリフ。

 鳥肌が総立ちでした。

子の親離れ

 本作のストーリーは、母親とニナとの葛藤を描いたものとも言えます。
 なぜなら、白鳥の純真無垢は、母親によって守られた状況で育まれたものだからです。黒鳥になるためには、現実を知らなければいけない。現実の愉しみ(セックス)や夜遊びを知らなければいけない。
 だから、必然的にニナは親のことを鬱陶しく思うようになります。
 
 ニナにとって母親はもちろん大切な存在でしょう。しかし、ニナにとってもっと大事なのは初主演を立派にやりきることです。なぜなら、母親がバレリーナとしてニナに過剰に期待しているのです。その期待にニナは応えなければいけません。

 そうなると、どうなるでしょう。
 
 ニナは母親の期待に応えなければいけない→しかし、そのためには現実の愉しみ(セックス)、夜遊びを知らなければいけない→母親として子どものニナの夜遊びは許せない

 「保護者としての母親」と「過剰な期待をする母親」の二者が、ニナに対してダブルスタンダードを示しているのです。
 平常時なら、良くあることですが、人生のかかった大舞台を前にしてただでさえ大きなプレッシャーなのに、最も身近な者にこんなストレスをかけられたら溜まりません。

 何しろニナは親のためにも本当は嫌なのに頑張っているのですから。

 そうやって頑張った甲斐もあってニナは黒鳥を演じきれるようになるのですが、そのときのニナは黒鳥的な欲望を持っています。「母親のために」が抜け落ちて、自分のために主演をやりきろうとするのです。

 ですから、母親がニナの精神を心配して出演を止めてもニナは聞きません。ニナは主演を演じたいのです。他の誰よりも完璧に。

 舞台が始まる前。ニナが母親の反対を押し切って家を出るときの一言は非常にすかっとしました。それまで抑圧されてきたニナがついに自分の欲を出して、親離れが出来たように思うのです。

「私が主演よ!母さんはただの群舞!」

 この唯我独尊な台詞!溜まりません!!

最後に

 以上のようにサイコスリラーとしても、ニナの成長ストーリー(歪んではいますが)としても楽しめる本作。見どころがたくさんですが、以上の他にもCMでご存知の黒鳥のダンスも大きな見どころです。
 
 これは是非とも観て欲しい一作です!
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